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業務の属人化が引き起こす問題とは?属人化解消のアプローチまでを徹底解説!

BPO
2025.10.21

業務の属人化が引き起こす問題とは?属人化解消のアプローチまでを徹底解説!

「担当者が休むと業務が止まってしまう…」「引き継ぎができずに困っている…」このような悩みを抱えていませんか?

これらは業務の属人化が原因の可能性があります。日本企業の多くが直面するこの問題は、長時間労働や品質低下、さらには退職時の業務停滞など、深刻なリスクをもたらす可能性があるため、早急な解決が求められます。本記事では、業務の属人化が発生する4つの原因と7つのリスクを解説し、基本的な解消方法や、すでに属人化が進んでしまった企業向けには、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を活用した実践的な解決策も提案します。BPOによる段階的な外注化など、具体的なステップも含めて解説していきますので、自社の状況に合わせてご活用ください。

 

この記事は以下のような人におすすめ!

特定の社員に業務が集中していて不安を感じている
チームでの引き継ぎや情報共有がうまくいかずに悩んでいる
業務の標準化・マニュアル化を進めたい

 

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業務属人化が引き起こす問題とは?

株式会社デジタル・ナレッジ内のeラーニング戦略研究所が2021年に行った調査によると、中小企業が抱える人材育成の課題は「業務知識の属人化」が最多で、4社に1社が課題と認識していることが明らかとなりました。

業務の属人化とは、特定の従業員のみが業務の進め方や内容を把握しており、その人以外は業務を遂行できない状態を指します。いわゆる業務の「ブラックボックス化」により、担当者が不在の際に業務が停滞し、組織全体の生産性低下を招く深刻な問題です。

参照:株式会社デジタル・ナレッジ「中小企業における人材育成とオンライン研修に関する調査報告書

 

属人化の定義と特徴

属人化した業務には以下のような特徴があります。

・担当者しか業務の進め方や判断基準を把握していない(不透明性)
・マニュアルや統一された手順が存在しない(標準化の欠如)
・ノウハウが特定の個人にのみ蓄積されている (個人依存)
・担当者不在時に他の人では対応できない(代替困難)

これらの特徴により、担当者の急な休暇や退職時に業務継続に支障をきたすリスクが生まれます。

なぜ今、属人化解消が重要なのか

終身雇用制度が実質的に形骸化し、人材の流動性が高まっている現代のビジネス環境では、属人化解消がより重要になっています。実際、転職者数は増加傾向にあり、特に若年層の転職者比率が高くなっているため、特定の個人に業務が依存された場合、その人材の流出とともに企業の競争力の源泉が失われるという直接的なリスクに繋がります。

 

業務属人化が発生する4つの主要原因

業務の属人化は偶然発生するものではなく、組織構造や業務環境に潜む特定の要因によって引き起こされます。これらの根本的な原因を理解することで、効果的な対策を講じることが可能になります。ここでは、業務の属人化が発生する原因についてご説明します。

専門性の高い業務による属人化

高度な専門知識や技術を要する業務では、自然と属人化が進行しやすくなります。例えば、「システム開発」「法務対応」「技術サポート」などの分野では、画一的な手順を定めることが困難で、経験と判断力が重要な要素となります。一度特定の担当者に業務を委ねると、その人だけが専門技術に習熟し、他の従業員が学習する機会が減少する悪循環が生まれます。

業務負担による教育機会の不足

目の前の業務に追われる状況では、マニュアル作成や後進育成に時間を割く余裕がありません。特に中小企業では、指導者不足や育成時間の確保といった課題が深刻であり、結果としてベテラン社員への依存度が高まり、属人化が加速する傾向があります。

③ 組織内における情報共有の形骸化

組織内で情報を共有する明確な仕組みやルールが存在しない場合、各従業員は独自の方法で業務を進めることになります。何をどこまで、どのように共有すべきかが不明確だと、自然と個人に情報が蓄積される状況が生まれます。また、共有する文化が根付いていない組織では、積極的な情報発信を行う従業員が少なくなる傾向があります。

リモートワークによるコミュニケーション不足

最近では、多くの企業でリモートワークが導入されていますが、これも属人化を招く要因の一つです。リモート環境では、物理的な距離があることでコミュニケーションをとる機会が減少し、情報共有が自然に行われにくくなるため、オフィスでは気軽にできた相談や業務の振り分けも一人で対応することを選択しがちです。この結果、業務の属人化が進行することになります。

 

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業務の属人化が引き起こす7つのリスク

長期的に見ると、業務の属人化は組織運営において多層的なリスクを生み出し、企業の持続的成長を阻害する可能性があります。これらのリスクを正確に把握することが、適切な対策を講じるための第一歩となります。ここでは、属人化が引き起こすリスクをご説明します。

長時間労働と従業員の健康問題

属人化により特定の個人に業務が集中すると、連鎖的に様々な問題が発生します。例えば、代替要員が不足している場合、長時間労働が常態化し、過重労働が慢性化することで、有給休暇を取得できない状況が続く可能性があります。このような状態が続くと、疲労の蓄積による身体的・精神的な健康リスクが高まり、最終的には休職・退職に至るケースも考えられます。

② 業務の不透明化とガバナンスの欠如

担当者以外が業務内容を把握できない状況では、作業の進捗や品質を適切に管理することができません。上司や同僚による業務のチェック機能が働かず、組織としてのガバナンスが機能しなくなります。これにより、業務の質的向上や効率化の機会も失われることになります。

ミスやトラブルの発見遅れ

 属人化した業務では、第三者によるチェック機能が欠如しているため、ミスやトラブルが発生する可能性が高くなります。
また、担当者以外が状況を把握できないため、トラブルの発見が遅れるリスクがあります。さらに、問題発生後に担当者が不在の場合、適切な対応ができず、最悪の場合は被害が拡大する恐れもあります。特にシステム障害などの緊急時には、対応に長い時間を要し、業務への影響が深刻化する可能性があります。

④   退職時の業務停滞リスク

属人化した業務を担当する従業員が退職すると、組織に甚大な影響を及ぼす可能性があります。担当者が退職すると同時に知識や業務プロセスが失われるため、業務継続が困難になります。また、後任者の採用及び育成にも時間がかかり、その結果、業務品質の低下に繋がります。最悪の場合は業務自体が停止し、顧客や取引先に重大な影響を与える可能性もあります。

⑤   工数管理と評価の困難性

業務が特定個人の経験や判断に依存していると、正確な工数見積もりや作業効率の評価が困難になります。標準的な作業時間や品質基準が不明確なため、適切な人員配置や業務改善の判断ができず、組織全体の生産性向上が阻害されます。

⑥   サービス品質の不安定化

属人化により業務の標準化が進まないと、担当者の能力や状況によってサービス品質にばらつきが生じます。その結果、顧客対応や製品の品質に一貫性がなくなり、企業の信頼性低下につながる可能性があります。また、品質改善や革新的な取り組みも進みにくくなります。

⑦   組織の知的資産の喪失

個人に蓄積された知識やノウハウが組織として共有されないことは、企業の知的資産の喪失に直結します。また、業務プロセスがブラックボックス化していると、デジタル化や自動化の対象にすること自体が困難になるため、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の大きな障壁となります。

 

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業務属人化を解消する基本的な3つのアプローチ

上述した属人化によるリスクを解消するには、体系的なアプローチが必要です。闇雲に対策を講じるのではなく、現状把握から始めて段階的に改善を進めることで、確実で持続的な成果を得ることができます。

①   業務の棚卸しと可視化から始める

属人化解消の第一歩は、現在の業務状況を正確に把握することです。以下の項目を詳細に調査し、業務フローを図式化します。

・担当者への依存度:特定の人物に完全依存している業務の特定
・属人化の原因分析:なぜその業務が属人化したかの背景調査
・作業内容の詳細化:具体的な手順と判断ポイントの明確化
・必要スキルの整理:専門知識や経験の要件を文書化

業務棚卸フロー

この可視化により属人化の範囲と深刻度を客観的に評価でき、優先的に取り組むべき領域を特定できます。

②   業務プロセスをシンプルに再設計する

複雑な業務ほど属人化しやすいため、業務プロセスの簡素化が重要です。不要な工程の削除、作業手順の統一、使用ツールの最適化などを通じて、誰でも理解・実行できる形に再設計します。業務の複雑性を排除することで、標準化と教育が容易になり、属人化の根本的な解決につながります。

③   マニュアル作成で標準化を進める

業務の標準化には、詳細で実用的なマニュアルの作成が不可欠です。担当者以外でも一定の品質で業務を遂行できるよう、作業手順で迷いやすいポイントにおける判断基準など、ノウハウを含むマニュアルを作成します。また、作成後は業務変更に合わせてマニュアルを定期的に更新する仕組みも整備し、常に最新の情報を維持することが重要です。

 

業務属人化解消の切り札|BPO活用の実践方法

すでに深刻な属人化が進行している場合、上述したアプローチでは解消するのが難しいケースもあるでしょう。その際の最も効果的な解決策の一つが、BPOの活用です。

BPOとは、自社の業務における設計から運用までの一連のプロセスを、外部の専門業者に委託することを指します。
BPOについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

 

すでに属人化している企業がBPOを選ぶべき理由

属人化が進行した組織では、担当者が日常業務に追われ、マニュアル作成や後進育成に十分な時間を確保することが困難な状況に陥りがちです。このような状況下では、自力での改善を試みても、根本的な解決には長い期間を要するため、その間に属人化がさらに進行するリスクもあります。

まずは、BPO事業者を活用し、属人化の原因を的確に把握することで、業務プロセス全体の見直しと最適化を同時に行うことが可能になります。これにより、組織の生産性向上と競争力強化にも繋がります。

 

BPOによる段階的な属人化解消プロセス

BPOの委託形態は「外部委託型(オフサイトBPO)」「常駐委託型(オンサイトBPO)」の2種類があります。オフサイトBPOが、受託企業の自社拠点で業務を遂行する形態のことを指すのに対し、オンサイトBPOは、委託先のスタッフが依頼企業の拠点内で業務を遂行する形態を指します。

「外部委託型(オフサイトBPO)」と「常駐委託型(オンサイトBPO)」の特徴や効果については過去のブログをご確認ください。
(該当の見出しに直接移動します。)

BPOの費用対効果を解説!計算方法や見落としがちな費用とは?| 株式会社国和システム

BPO導入時の費用対効果や算出時に気を付けるポイント、BPOの委託形態の違いを徹底解説しています。

 

BPOを活用する場合、いずれの形態でも属人化してしまった業務の状態把握や詳細な観察・分析を行い、業務フローやノウハウを徐々に可視化することが必要です。

例えばオンサイトBPOを活用する場合、まず委託管理者が業務の実態を把握するために、企業担当者へのヒアリングを行い、業務内容や判断基準を確認します。
次に、そのヒアリング内容をもとに、業務を「マニュアル化が可能な業務」と「現時点では専門性が求められる業務」に分類します。後者の「専門性が求められる業務」とは、属人化リスクが高く、すぐには標準化が難しい業務を指します。

こうした業務については、担当者への追加ヒアリングや実際の業務観察を通じて、判断や処理における属人性の程度を診断します。たとえば、「業務手順が文書化されていない」「処理が特定の担当者の経験に大きく依存している」といった要素が属人化の要因として挙げられます。そのうえで、まずはマニュアル化が可能な業務から着手し、他のメンバーによる業務試行やフィードバックを通じて、専門性の高い業務についても段階的に手順の明文化・改善を進めていきます。
最終的には、再現性の高い形で業務の標準化・分業化を図ることで、特定の個人への依存を解消することを目指します。

 

BPOで可能な業務をもっと知りたい方はこちらからどうぞ

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属人化業務の可視化から外注化までの具体的ステップ

BPOを活用した属人化解消は、以下の4段階で段階的に進行します。

外注化までの4つのステップ

このプロセス全体を通じて社内には標準化されたノウハウが蓄積され、将来的な属人化の再発防止にも貢献します。業務委託後も継続的なサポートとモニタリングにより、安定した業務運営を実現できます。

 

まとめ:業務属人化解消で持続可能な組織を実現しよう

業務属人化は、専門性の高い業務環境や情報共有不足、リモートワークの普及によるコミュニケーション不足などにより発生し、組織に様々なリスクをもたらすため、深刻化する前の対応が求められます。
自社内で属人化している業務がある場合には、業務の可視化やマニュアル作成といった業務の標準化を実施してみましょう。また、社内で情報共有を徹底する習慣を構築することも、属人化のリスクを低減するうえで効果的です。
その上で、自社内での対応が難しい場合やすでに深刻な属人化が進行している業務についてはBPOサービスの利用も視野に入れて検討するのも良いでしょう。

BPOサービスを利用すれば、専門的なノウハウを活用しながら、段階的に業務の可視化と標準化を進められます。最終的には標準化されたプロセスとノウハウが組織に蓄積され、将来的な属人化の再発防止にもつながるでしょう。
業務属人化の解消は、一時的な問題解決ではなく、持続可能で成長力のある組織づくりへの投資です。今すぐ自社の業務状況を見直し、属人化解消に向けた第一歩を踏み出しましょう。

国和システムでは東京・沖縄の2つの拠点でデータ入力、コンタクトセンター、自治体業務を中心に44年間BPOサービスを展開しております。
設計から運用まで一括でのご相談だけではなく、運用のみの一部分の委託などでも大歓迎です。お客様の課題やご希望に合わせて、最適な業務設計と柔軟な運用支援をご提供いたします。

「属人化している業務があり、今後のために対策を考えたい」
「自社の属人化している業務がBPOで対応してもらえるか聞いてみたい」
「引き継ぎがうまくいかず、業務が属人化しているためアドバイスが欲しい」

どんな些細なことでも結構ですので、是非一度ご相談くださいませ。

 

BPO業務に関するお問合せは、お気軽にどうぞ。

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